アンカーポイント鰲鼓湿地はもともと台湾製糖公司の東石農場でした。地盤沈下に加え、地下水層への海水の侵入によって塩害を受けた農地と養殖場が廃棄されましたが、のちに自然が回復し、多くの鳥類が生息、越冬するようになり、豊かな湿地生態が形成されました。
2009年、「嘉義県鰲鼓野生動物重要生息環境」の設立が公示されました。海辺に新たにできた潟としては台湾最大であり、温暖な気候と多様な生態によって内外の愛鳥家の注目を集めています。林業と自然保育署が中山大学に委託した「鰲鼓湿地森林パーク」プロジェクトは、グローバルレベルで渡り鳥の移動ルートに配慮されていたことから、2011年「米国ランドスケープ・アーキテクト協会」分析・計画分野プロ部門で最優秀賞を受賞しました。
域内で保護されている鳥として、コウノトリ、ナベコウ、クロツラヘラサギ、カラシラサギ、ハイタカ、アカハラダカ、サシバ、ミサゴ、カラフトアオアシシギ、タマシギ、コアジサシ、アカモズがいます。冬になると、越冬しに来る渡り鳥の数と種類の多さには驚かされます。豊かな生態系に恵まれたバードウォッチングの楽園、環境教育の現場といえるでしょう。